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どうやら、くノ一は僕の敵じゃないらしい

これは本当に変で、笑える話だよ。

例の「ビデ・ボーイ」のことなんだけど、僕がワーキングホリデーで初めて日本に行った時、彼は全部投げ出してまで僕に会いに来たんだ。でも僕はレストランの仕事でめちゃくちゃ忙しくて、毎日クタクタ。「日本語を話す・聞き取る」っていうだけで脳のエネルギーを使い果たしていたから、正直余裕なんてなかったんだよね。

そんな状況で、渋谷のスタバでの一件を経て僕らが最初に向かった場所……それはどこだと思う?(まず当てられないだろうけど)

アキハバラァァァァ!!

いやあ、すごかったよ。あそこは「ガイジン」の密度が凄まじい場所だよね。みんな汗だくで、あの汗を集めたら新しい再生可能エネルギーとして世界を救えるんじゃないかってレベルさ。

でも、秋葉原にたくさんいるのはオタクグッズだけじゃない。そう、「オタクサービス」の聖地……。

メイドカフェェェェ!!

……なんだけど、僕は一度も行ったことがない。

なぜかだって?

だってさ……。

ビデ・ボーイは、まあ見た目は悪くない。むしろかなりイケメンなんだけど、彼はメイドさんと話したがったんだ。別にキモい感じじゃなくて、ちょっとしたプレイフルな会話を楽しみたい程度だったと思う。実際、彼が話しかけた女の子たちはみんなすごくフレンドリーで、中にはメイドの職務を放棄して彼を追いかけてくる子までいたよ。しかもそのメイドさんが、彼に猛アタック!でも彼は全然興味がなくて、フランス語で罵って追い払おうとしてたのに、彼女はしつこく食らいついてきてさ。

そんな時、ビデ・ボーイがとんでもない提案をしてきたんだ。

「お前もメイドと話してこいよ」って。

いや、興味ないし。そんな無理やりフェアリーテールみたいな空間に行くなんてごめんだよ。でも彼は「日本語の練習だろ?道を聞くフリをして、客として話しかけてこい」と譲らない。(わざわざ『客として』なんて言ったのは、たぶん僕にもナンパさせたかったんだろうね)

ちょうどそこに、忍者姿のメイドさんがいた。僕、忍者には目がないんだ。だからまあ、それならいいか、と彼女に近づくことにした。

……僕のあの、巨体で地響きを立てるようなガイジンの足取りで。仕事のストレスと寝不足で、目は完全に死んでる。そんな僕が、必死に絞り出したポリテでソフトな声でこう言ったんだ。

「すみません……このカフェはどこですか?忍者がテーマなんてカッコいいですね」

するとその小柄で華奢なメイドさんは、僕を見上げた瞬間……顔が恐怖で引きつり、ゆっくりと視線を地面に落とし……ガタガタ震えだして……ついには泣き出してしまったんだ。

なんでだよ!!

ただ道を聞いただけだぞ!?

その横でビデ・ボーイは腹を抱えて大爆笑してるし、その間もさっきのメイドさんは彼に連絡先を聞き続けようと必死に追いかけてる。もうカオスだよ。

未だに謎なんだ。どうして彼女を泣かせてしまったのか。

だって、僕そんなに怖くないでしょ!?でも日本に行くと、よく「目が怖い」って言われるんだよね。もしかしてそれか?それとも身長が高すぎるから?

それとも……もしかして……僕が美形すぎて、神聖な存在を前にして圧倒されちゃったとか?

……なーんてね!

たぶん、目の色のせいだと思う。僕の目は緑色なんだけど、日差しが強いと黄色っぽく見えるんだ。直射日光の下で、寝不足のクマができた黄色い目。……まあ、確実にホラーだよね。

でも、ここは「僕がカッコよすぎて彼女がひれ伏した」っていう設定でいかせていただくよ。どういたしまして!

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