あの庭園を、今も歩いている

日本に興味を持ったきっかけがアニメやマンガだという人は多いよね。僕も子供の頃にそれらを楽しんでいたし、きっと同じだろうと思われても不思議じゃない。

でも、僕が最初に日本に惹かれたのは、それが「日本」だという名前すら知る前のことだった。当時の僕らはみんな小さすぎて、東アジアの国は全部「中国」だと思い込んでいたくらいさ。

話はこうだ。

小学生の頃、時々校外学習があった。たいていは教育的というより、遊園地やプール、ゲームセンターなんかに行くお楽しみ会みたいなものだった。でも僕は、校則を破ると「違反(インフラクション)」を食らうっていう、ちょっと変わった学校に通っていたんだ。

例えば、ポケモンカードなんて持って行ったら即アウト。「適正なトレードができない子供たちが喧嘩を始めるから」という理由でね。

僕はといえば、いつも授業中に絵を描いてばかりいたから、しょっちゅうその「違反」を食らっていた。ずっと言っている通り、僕は物心ついた時からずっと絵を描き続けている人間なんだ。

その「違反」が3回たまると、月末のイベントや校外学習への参加が禁止される。

だから、僕はいつもそのイベントには参加できなかったんだよね(笑)。

でも、ある月だけは奇跡的にいい子にしていて、校外学習に行けることになった。

その行き先は、植物園だった。

20代の頃のアルコールで脳細胞を少しやっちゃったのか、記憶は少しぼやけている。でも、植物園に着いた時のことは覚えているよ。そこにはいくつもの区画があって、いろんなスタイルの庭園があった。中国庭園があって、そのすぐ隣に、少し小さな日本庭園があったんだ。

中国庭園はとても広大で、デザインも色鮮やかで力強かった。一方の日本庭園は小さくて、小さな寺院と禅庭園があるだけだった。

僕はふらふらと歩き回った。中国庭園も素敵だと思ったけれど、なぜか日本庭園の方に強く引き寄せられたんだ。そこにいた庭園のスタッフが、書道や禅庭園のことを教えてくれた。砂をならして、筆を走らせてみる……その瞬間、僕の中の「アーティストの神経」がカチッと音を立てて起動したのを覚えている。どこからか流れてきた三味線や琴の音色も、中国庭園の環境音とは全く違う、特別な響きだった。

彼らに「これが日本庭園だよ」と言われて、僕は「それって何?」と聞き返した。

でも、そこには他のエリアとは明らかに違う、文化的なオーラのようなものが漂っていた。僕の心を捉えて離さない、不思議な空気がね。

それから何年経っても、僕は今もずっと、あの庭園の中にいるような気分なんだ。

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